雇用統計、予想の2倍です。
市場予想は約85,000人増でした。
結果は+172,000人。
これが何を意味するかというと、またFRBが利下げしにくくなったということです。
先日の記事でPMIとJOLTSの好結果がBTCの重しになったとお伝えしました。
👉 景気は強いのにBTCは下落──なぜ逆の動きが起きたのか
今回の雇用統計は、その流れにさらに追い打ちをかけた形です。
BTCは現在、約61,970ドル。
5月初旬の82,000ドル台から、3週間で約25%下落しています。
しんどい数字ですが、何が起きているのかをちゃんと整理しておきたいと思います。(2026年6月6日執筆時点)
今夜の雇用統計、結果はこうでした
まず数字を確認しておきます。| 項目 | 市場予想 | 結果 | 前月比 |
|---|---|---|---|
| 非農業部門雇用者数(NFP) | 約85,000人増 | +172,000人 | 前月179,000人から小幅減 |
| 失業率 | 4.3% | 4.3% | 横ばい |
| 平均時給(前月比) | +0.3% | +0.3%($37.53) | 予想通り |
| 平均時給(前年比) | +3.4% | +3.4% | 予想通り |
※出典:米労働省労働統計局(BLS)Employment Situation Summary、2026年6月5日発表
ただ、ちょっと待って?と思う部分もあって。+172,000人という数字、よく見ると増えた雇用の多くが飲食・ホテルなど夏前の季節採用や、政府系の公務員が中心なんです。
民間企業が景気に自信を持って積極採用している、という感じではない。
なので正直、利下げが遠のくほどの内容かな?とも思うんですよね。
でも市場って、発表の瞬間はヘッドラインの数字しか見ないんです。
+172,000人、強い!以上!みたいな感じで。笑
中身の分析は後からついてくるので、BTCは売られちゃいましたね。
BTCが下がり続けた3週間を振り返る
今回の雇用統計だけを見ていると見えにくいのですが、ここ3週間の流れを整理するとBTCが下がり続けた理由がよくわかります。| 時期 | 出来事 | BTCへの影響 |
|---|---|---|
| 5月中旬〜下旬 | ETFから大規模資金流出が始まる | 機関投資家が売り始める |
| 5月下旬〜6月初旬 | イラン情勢の緊迫化が続く | リスク回避の動きが加速 |
| 6月1〜2日 | PMI・JOLTSが予想を大幅上回る | 利下げ期待がさらに後退 |
| 6月5日 | 雇用統計が予想の約2倍の結果 | 利下げ期待にとどめを刺す |
※BTC価格推移はBitget BTC/USDTチャートに基づく(2026年6月5日参照)
悪材料が積み重なって、今の価格があります。1つ1つは「まあそういうこともある」で済むかもしれないけど、これだけ重なると市場の空気が変わってくるんです。
ETFの資金流出、少し変化が出てきた
ここで少し気になる動きも出てきました。ずっと続いていたETFの資金流出に、変化の兆しが。
| 日付 | IBIT(BlackRock) | 合計流出入 |
|---|---|---|
| 5月27日 | ▲527.8百万ドル | ▲733.4百万ドル |
| 5月28日 | ▲177.9百万ドル | ▲223.3百万ドル |
| 5月29日 | ▲68.2百万ドル | ▲125.3百万ドル |
| 6月1日 | ▲440.3百万ドル | ▲483.8百万ドル |
| 6月2日 | ▲388.6百万ドル | ▲519.1百万ドル |
| 6月3日 | ▲342.3百万ドル | ▲396.6百万ドル |
| 6月4日 | +47.7百万ドル | +3.2百万ドル |
※出典:Farside Investors Bitcoin ETF Flow(2026年6月6日参照)
5月18日から6月3日まで長期間にわたって流出が続き、合計約40億ドルが市場から抜けていきました。ところが6月4日、IBITが+47.7百万ドルの流入に転じ、合計でも+3.2百万ドルとわずかにプラスになりました。
1日だけで底打ちと判断するのは早いですが、流出のペースが落ちてきたのは確かです。
この動きが続くかどうか、引き続き注目しています。
資金が流出するということは、プロの投資家たちがいったん手を引いているということ。
逆に流入が増えると、大きな買い圧力になります。
利下げはいつになる? 次の節目はFOMC
今回の雇用統計を受けて、市場で意識されているのが6月16〜17日(日本時間6月17〜18日)に開催されるFOMC(金融政策決定会合)です。声明の発表は日本時間6月18日(木)午前3時頃の予定です。
結論から言うと、今回も金利は据え置きがほぼ確実視されています。
現在のインフレ率(CPI):3.8%(2026年4月)
インフレ率が目標の約2倍の水準で推移しており、FRBは利下げに踏み切れない状況が続いています。
※出典:米労働省労働統計局(BLS)CPI発表・ソニー銀行公式ブログ(2026年6月5日)
新議長は就任時に物価の安定を最優先する姿勢を明確にしており、強い雇用統計が出た今、利下げに動く可能性はほぼないと見られています。
まとめ
- 雇用統計は予想の約2倍の+172,000人
強い数字が利下げ期待をさらに後退させる材料になった。ただし増えた雇用の中身は季節採用・政府系が中心で、手放しで喜べる内容ではない。市場はヘッドラインの数字に反応してBTCを売った。 - ETFの流出に変化の兆し
6月4日はIBITが流入に転じ、合計で+3.2百万ドルとわずかにプラス。13営業日ぶりのプラスで、流れが変わりつつある可能性はある。 - 次の節目は6月18日(木)午前3時のFOMC声明
据え置きは確実視されているが、その後の利下げ見通しをFRBがどう示すかが焦点になる。
でも何も知らず数字だけを追っていた時だったら、やばいやばいやばいってSNSにしがみついていたかもしれません。笑
でも今は「あ、これが原因か」って思えるだけで、だいぶ違うなと感じています。
引き続き状況をお伝えしていきますね!